私たち夫婦は不妊治療(AIH)を受けて子供を授かることができました。 もちろんその時期は鍼灸も併用しています。 そういうわけで、不妊治療というもの、そして病院に通っているときの精神的な不安定さやつらさを少しですが知っています。 その経験から思うことや、簡単な情報をまとめていきたいと思います。

不妊治療とはり・きゅう

日本でははり・きゅうと言えば痛みの治療というイメージがあります。
ところが発祥の地である中国では、痛みだけでなく内科的なものから婦人科、皮膚科領域まで様々な治療が行われています。
不妊治療にももちろん活用されています。

私の場合

病院に通い始めてから妻の下腹部へのお灸を週に一回していました。
妻の下腹部は、触ると冷たいのです。

子宮などは当然下腹部にあります。
そこが冷たいということは、下腹部全体的に血流が足りていないのだろうとの思いからです。

鍼灸の本にも、腹部のツボを使うことが示されています。
お灸を始めてもしばらくは変化はありませんでした。
数ヶ月すると冷たさが減ってきます。

そのうち、暖かく感じられるようになりました。
お腹を出していても冷えないのです。

ちょうどその頃、タイミングから人工授精へとステップアップ。
1回目で妊娠となりました。
人工授精での妊娠率は松田ウイメンズクリニックのホームページによると8.3%(2013年)
1回目での妊娠が奇跡に感じます。
お灸のおかげかな^^

ちなみに通っていたのは、鹿児島市にある松田ウイメンズクリニックです。

赤ちゃん写真

こんな研究があります

私たち夫婦の結果だけではなんですので、研究発表されているものを探してみました。

アメリカでの研究

体外受精胚移植(IVF-ET)を行うときに、移植前後に鍼治療を受けた場合と受けてない場合を比較(それぞれ80組)。
鍼治療を受けたほうが1.6倍妊娠しやすかった。

子宮内膜の改善

こちらは日本の研究。
子宮内膜がうすく胚移植ができなかった人に対して鍼灸をしたところ、次の周期には半数が子宮内膜の改善がみられ移植することができたそうです。
改善しない、または移植したが妊娠しなかった人に対して鍼灸をさらに継続。
するとさらに次の周期には3/4の人が改善。
ということで鍼灸で子宮内膜の充実ができるようです。

 ドイツでの研究

2002年のドイツでの研究です。
体外受精を行うときに鍼灸治療を行わなかったときは26.3%、鍼灸治療をおこなったときは42.5%の成功率となったそうです。

2006年には体外受精を行った225名に対する研究もされています。
116名には鍼灸治療をおこない、残りの109名は鍼灸をしたふりをするというもの。
結果は実際に治療をした方は33.6%の成功率、やったふりの方は15.6%だったそうです。

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不妊治療とマッサージ

マッサージに関しては、不妊治療との関連で研究結果などみられません。
が、個人的にはマッサージも多少の効果はあるのではないかと考えています。

ストレスや血流から考える

機能性の不妊と言われている場合は、これという原因がないわけです。
そういう場合に、予想されるのがストレスによるホルモンバランスの悪化や血流不全。
また男性で運動率が低かったり、奇形率が高い場合も、人間関係や仕事によるストレスの影響が大きいと言われています。

マッサージは血流をよくする効果や、ストレス状態を改善してくれます。
一般的なマッサージの効果はこちら。

男性の場合は全身を、女性の場合は、腰部、腹部から下肢を中心に定期継続的にマッサージを続ければよい結果につながるのではと思っています。

ちなみに同じような効果は運動にもあります。
ちょっと早いと思うぐらいのペースで毎日15分ぐらい歩く。

30分以上歩かないと効果がない!ということもいわれますが、これはダイエットの場合。
ダイエット目的でなければ、15分ほどの速歩で十分ですよ。

生理学から考える

体性-内臓反射というものがあります。
これは皮膚や筋肉、関節などを刺激するとその信号が脊髄や脳に伝わり、内臓の働きが変化するというものです。

皮膚や筋肉をこすったり・マッサージする刺激を与えることで、その部分に対応する自律神経を通じて内臓の働きや血流が変わります。

子宮の血流は、仙髄の支配を受けている場所を刺激すると増えると言われています。
仙骨周囲や、太ももなどへのマッサージで子宮への血流が増える可能性はあると思っています。

ちなみに生殖器も仙髄支配です。
こちらは我々が施術できる場所ではないので、ご夫婦での対策が必要です。
でも、不妊治療中は性行為の回数が減る傾向が明らかです。
これは治療上しょうがないのですが・・・。

タイミング法の方は、排卵日しか性行為をしてはいけないわけではありませんので存分に夫婦生活を楽しんでいただければと思います。
人工授精や体外受精の場合は、感染があると妊娠しないために性行為を控えるように言われていると思います。
そういう場合は、移植月以外に仲良くしていただければと思います。

また子宮を支配する交感神経は、胸椎下部から腰椎上部あたりが関係しています。
それらの支配する腰部や、下腹部のマッサージも効果があるでしょう。
ちなみに下腹部はおへそから手のひら一つぐらいの範囲という意味で使っています。

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あさひ鍼灸院での治療について

あさひ鍼灸院では不妊治療を行っています。

  • 治療効果の積み重ねが必要です。
    最低でも週に1回の来院をお願いします。
  • できるだけ病院で各種の検査を受けて下さい。
    卵管の詰まり、無精子症の場合には鍼灸の効果は期待できません。

なぜ継続しなければいけないのか

当院では週に1回から2回の継続的な通院をお薦めしています。
理由の一つは鍼灸の効果は1週間ぐらいと言われていること。

もう一つは継続しなければ良好な状態を維持できないであろうからです。

人の体は、その人が口にしたものでできています。
そして今のあなたの体は、これまでの食事・生活習慣や姿勢などが反映されています。

こんな症状はありませんか?

・月に何回も頭痛がする
・肩こりから歯が浮いたような感じがする
・気分の落ち込みや逆に気分が高揚するなどで薬を飲んでいる
・喘息の既往が有り、毎日吸入薬を使っている
・眠れない
・風邪をひきやすい

そのような状態で妊娠して大丈夫でしょうか?
妊娠すると、ちょっと体調が悪いから市販薬を飲もう!とは気軽にできなくなります。

胎児に対する安全性が証明されている薬しか飲めません。
たとえ安全性が高いと言われている薬でも、心配は尽きません。
また歯の治療も制限がかかることがあります。

上記のような症状は、姿勢、生活習慣、様々なストレス、体質などが原因です。
採卵時期だけ、移植前だけの治療ではこれらに対応することは無理でしょう。
その気になったときだけでは、毎日の生活の影響のほうが大きくなります。

このような理由で、当院では週に1,2回の定期的な通院をお薦めしています。

治療コース

コースは以下の3つのものからお選びいただけます。
継続して週に1回から2回通院可能なコースをお選びください。
毎回コースが違っても大丈夫です。
予約時に希望コースをお伝え下さい。

  • 90分コース(5500円)
    来院からお帰りまで90分のコースです。
    不妊に効果があるといわれているツボへの鍼灸(不妊治療の鍼灸)、体質改善や自律神経バランスを改善する鍼灸(整える鍼灸)を中心に、マッサージやストレッチにで血流改善を促します。
  • 60分コース(4000円)
    来院からお帰りまで60分のコースです。
    不妊治療の鍼灸と整える鍼灸を時間の範囲内で行います。
  • 30分コース(2000円)
    来院からお帰りまで30分のコースです。
    不妊治療の鍼灸のみを行います。

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実績

29歳女性
普通の産婦人科において一通りの検査で異常なし。
漢方薬の治療を続けている。
当院へは週に1回または2回の来院。
4ヶ月、20回施術で妊娠するが流産。
掻爬手術を経て、再来院。
2ヶ月(初診より8ヶ月)、5回施術で妊娠。

32歳女性
不妊治療の専門病院にて不妊治療。
各種検査に異常なし。
平行して鍼灸治療を週1回。
タイミングでは妊娠に至らず、人工授精1回目で妊娠。

38歳女性
出産経験あり。
不定期で来院。
産婦人科への通院はなし。
タイミング指導と鍼灸、整体などを行う。
約半年で妊娠。

早ければ早いほどよい

子供を授かるのは、早ければ早いほどよいと考えています。
なぜなら、人の体は老化していくからです。

背が伸びなくなったのは何歳でしたか?
お肌の曲がり角と呼ばれるのは何歳ぐらいでしょう?

人は生まれ、成長し、そして徐々に老化していきます。
寿命が長くなり、個人としてやりたいことや、夫婦二人だけの時間など大切なこともたくさんある世の中。

気がついたら30代も中盤に。
結婚して何年もたつのに子供ができない。
そんなときに、妊娠するための情報をあつめたり、不妊治療を始めます。

そんな30代。じつは肉体的なピークを過ぎています。
女性であれば18歳頃には骨の成長が終わります。

そしてお肌の曲がり角は25歳から28歳といわれています。
スキンケアをしなくてもいいのは、それだけ細胞の入れ替わりがスムーズに進み、血液も充分に行きわたっている証拠です。
スキンケアに注意を向け始めるということは、その反対。

妊娠には、お腹の赤ちゃんを育てるために母親の体力が必要です。
そして赤ちゃんに栄養や酸素を届けるために、血液循環がよくなければいけません。

血のめぐりはどうですか?

先ほど書いたように、血液で赤ちゃんは育ちます。
お肌の曲がり角を過ぎている方は、徐々に血流は悪くなっていると考えてください。

血流が悪いと、受精卵がたどりつく子宮の血液循環も悪くなります。
そのため、着床に必要な子宮内膜が充分に厚くなりません。

人工授精で間違いなく精子と卵子が出会い、受精していても、妊娠できないのはここに問題があります。
3分ほどズボンを下げてお腹を出してみてください。
そのあと下腹部を触ってみてください。

暖かいですか?冷たいですか?

お腹がすぐに冷たくなるということは、循環の悪い証拠です。
熱は筋肉や内臓が動くときに発生し、血液であちこちに運ばれます。
他の場所より冷たいところは循環が悪い、または脂肪がたくさんあるかのどちらかです。

また現代の生活環境では、体を動かすことが極端に減っています。
冷え性の方も多いです。 若い人に冷え性は少ないです。
買い物に出たり、遊びに行ったり動き回るのも若い頃の方が多いものです。

歳をかさねると、肉体的にも生活の面から見ても血のめぐりは悪くなる。
そうであるならば、若い方が妊娠しやすいと思いませんか?

柔軟性はありますか?

お腹の中で充分に育った赤ちゃんは、骨盤の間(産道)をとおって産まれてきます。
産道は出産時にホルモンの影響で、骨盤の靱帯が緩み、赤ちゃんが通れる幅まで広がります。
そのため、産後は骨盤が広がりおしりの大きな体型になりがちです。
最近は、産後の骨盤矯正とかもはやってますね。

ではこの骨盤。出産以外でひろがったことはありますか?
普通はありません。

骨盤で内臓は保持されています。
通常はきっちりとしているものです。

ではイメージしてください。
目の前にドアがあります。
何年も開けたことがありません。

20年、25年、30年、35年、40年・・・
開けたことのないドア。
時間が過ぎるほど、開けにくいことは想像できますよね。

骨盤も同じです。
若い方が動きやすいんです。

帝王切開のなかった時代は、高齢であるほど出産が困難でした。
その理由の一つは、この骨盤の動きやすさ。 やっぱり早いほうがいいです。

子育ては体力勝負!これ本当です

いざ子供が生まれると、眠れない日々が始まります。

3時間ごとの授乳。
これだけで参ってしまう親がいるのも本当です。
育児ノイローゼのようになってしまいます。

この時期が過ぎても、しばらくはのんびりできません。
相手は赤ちゃん。
何もできません。
おむつを替えたり、ミルクをあげたり。

動くようになると、怪我をしないか目が離せません。
大きくなっても、遊んで!とせがまれます。

これらを乗り越えるには、まず元気であること。
この一言に尽きます。

体調が悪いときは心もよわります。
イライラすることもあるでしょう。
若い方が元気! やっぱり早いほうがいい。

そうはいっても・・・

ここまで書いていて、なんですが早ければいいというものでもありません。

赤ちゃんを授かるということは、育てていくということ。
子育てに責任を持てる人でなければなりません。

時には、すべてが嫌になることもあるでしょう。
時には、自分のことを優先したい日もあるでしょう。
時には、邪魔に思うこともあるでしょう。
時には、心配で眠れない日もあるでしょう。
時には、欲しい物を諦めなければならないこともあるでしょう。

そんな時でも、子供を大切に思い育てていく覚悟はありますか?

夫婦でしっかり理解した上で、やっぱり若い方がいいでしょう。
あえて出産適齢期をあげるなら20歳から35歳ぐらい。

体外受精という方法が出てくるまでは、35歳前後で不妊治療をやめる決断を迫られていたそうです。
鍼灸は妊娠確率を上げることができます。

お問い合わせ、ご予約は 099-248-4325まで
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受けた方がよい検査

なかなか妊娠しないなぁと思ったときに受けておいた方がよい検査があります。
不妊治療専門病院でなくとも、かかりつけの産婦人科で受けられるものもあります。
まずは先生に相談してみて下さい。

子宮卵管造影

卵巣から放出された卵子は、卵管采でキャッチされ卵管を通って子宮へたどり着きます。
卵管を通る間に、精子と出会い受精するわけです。

この卵管が詰まっていると、精子は卵子に出会うことができませんし、卵子も子宮まで来ることができません。
この検査で卵管の詰まりの有無を検査できます。 また詰まっていた場合でも軽度の場合はこの検査自体で通じるようになるらしいです。

精液検査

不妊治療というと、女性ばかりが対象と考えている人もいますが男性に原因があることもあります。

精液が出ていても、その中に精子があるとは限りません。
また精子がいても、動きが悪かったり、数が少なかったり。

私も受けましたが、病院へは行っていませんので仕事の都合で受けられないなんてことはありません。
不妊の3割から4割は男性にあるといわれていますので、男性もしっかり協力して検査を受けることが必要です。

卵胞チェック

超音波検査で子宮や卵巣の様子を調べることができます。
不妊治療中には卵巣内で卵胞(卵子)が育っているかのチェックをおこないます。
特にタイミング療法中は重要になります。
また生理はあるけれども、排卵が行われていないなどもわかります。

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